閉めは「茶飯」に決めていた。
「茶飯を半分ください」。
少し食べ過ぎたとの自省をこめて、遠慮がち。
やがて運ばれた「茶飯」。
おやこれは。
普段食べているのは「茶色飯」。
これは色白き 「煎茶飯」。
茶の香りがほんわり漂って、穏やかなり。
お供が豪勢。
胡瓜、蕪、大根、人参、セロリ、黄ピーマンのぬかづけ。
こんにゃく、塩昆布ときたもんだ。
こりゃご飯が進む。
さらに手前は、大根の皮と葉を二日干したものに、じゃことおかかをまぶしたもの。
海苔にご飯とこいつを乗せ、くるりと巻いて食べたら止まらない。
「すいません、お軽くもういっぱい」
「ほうらやっぱりね」と言いたげな顔して、ご主人にやり。
次は、豊富なおしんこで、お茶漬けさあらさら。
ますます止まらない。
僕の食欲(というよりこの場合、食い意地ですが)見透かされ、
皮と葉っぱのおかわりそっと出す。
そう来たか。ならば応えねば。
「おかわりください」。
にこり。
よしこいつもお茶漬けだ。
海苔を散らしていると、
海苔のおかわりも差し出され、
「あっそうだ、ちょっと待ってください」。とご主人。
青海苔取り出して はらはらり。
磯の香り、凝縮した皮の甘み、じゃこのうまみ、鰹節と茶の香り。
渾然一体、さらさら。
大変危険です。ハイ。
これも博多なのですね。
以下次号。